短距離選手必見!もも上げの効果

スプリント科学

陸上部に関係なく、学校の体育の授業やお父さんやお母さんに小さい頃に、「もっと足を上げて走りましょう」と言われたことがある人は多いのではないでしょうか?この記事では、もも上げトレーニングの本当のねらいについて解説していきます。

スポンサーリンク

もも上げ動作とは?

もも上げとは、膝を高く上げて、太ももを股関節と90度ぐらいまで上げる動作のことです。ウォーミングアップなどに取り入れている選手は、ほとんどではないでしょうか?

推進力は何から生まれているのか?

もも上げトレーニングについて説明する前に、どうすれば速く走れるのかについて説明していきたいと思います。速く走ることを説明するために必須のキーワードとして、地面反力というものがあります。この地面反力というのは、陸上選手がよく使う用語である「地面から受ける反発」のことです。

地面からの反発って何?

地面からの反発の仕組みを知るためには、例を考えて説明するとわかりやすいです。友達と正面に立って手押し相撲の形をとります。次に、相手の手めがけて思いっきり力を加えて押します。相手は、押されことで後ろ向きの方向に力を受けます。それと同時に、自分が押したのにも関わらず、自分自身も後ろ方向への力を受けます。これを、物理の法則では、作用・反作用の法則と言います。この法則こそが、地面からの反発を説明するために重要です。

Dr.あゆみの物理教室より引用

推進力と地面反力の関係

作用・反作用の仕組みが分かってくれば、速く走るための仕組みについて分かってきた方も多いと思います。

では、本題に戻りましょう。

作用・反作用の法則を走りに例えて考えてみましょう。地面に加えた力が地面に作用した力であり、それに対して、地面から跳ねかえってくる力(反作用)があります。この地面から跳ね返ってくる力前方向への推進力になるということです。

もも上げトレーニングのねらい

速く走るためには、地面から跳ね返ってくる力を大きくすれば良いということが分かりましたか?もも上げをウォーミングアップや、技術練習として取り入れていく際のねらいは、「地面から跳ね返ってくる力を大きくする=地面からの反発を大きくする」ことにあります。

地面からの反発を大きくするためには?

これは、非常にシンプルです。作用・反作用の法則を思い出してみてください!反作用は、作用される力の大きさと同じ力が反対方向に跳ね返ってきます。地面から跳ね返ってくる力を大きくするためには、地面に加える力を大きくすれば良いのです!

もも上げの活用法

ここまでの内容から、ももを高く上げること自体が目的になってしまってはいけません。大切なのは、いかに大きな力を地面に加えることができるかということです。

つまり、もも上げでは、ももを上げることを目的にするのではなくももを素早く振り下ろすトレーニングを行うことが大切です。地面に大きい力を加えるためには、地面に向かって大きな力で足を振り下ろす必要があります。これは、実際に学術論文としても一定の効果があることが紹介されています。興味がある方は、ぜひ、以下の記事をお読みください。

児童の走能力を高めるトレーニング
○結論 児童の疾走能力を高めるために,もも下げトレーニングをすることで,50mを速く走るようになれる可能性があります. ○研究の背景 これまでの研究では,一流アスリートの走る動作についての多く行われてきました.それに伴って速く走るための動作...

まとめ

速く走るための、もも上げとは、ももを上げるのではなく、ももを素早く振り下ろすことが重要でした。ぜひ、これからの練習での意識を変えてみてください。少しでもあなたの動きに変化が起きることを祈っております!

コメント