○研究の背景
この研究では,SSCによる発揮パワーからスプリントのパフォーマンスを決める要素を明らかにすることを目的としています.
SSC(伸張-短縮サイクル)とは?
動作のパフォーマンスを向上させるために,動作の前に動作と逆方向に素早く予備伸張を加えることです.ジャンプでいうと最初にしゃがみこむことで,大殿筋(お尻の筋肉)やハムストリングス(太もも裏の筋肉)が伸ばされる(伸張)ことで,より大きな力で筋肉が収縮される.このことによって爆発的な力を発揮することができるというものです.
○研究の内容
実験の対象者は,体育系大学陸上競技部に所属している66名です.動作を分析とする学問の中では,非常に多い数の対象者を対象としており,信頼性が高いデータではないかと考えられます.対象者には,6回のリバウンドドロップジャンプと60mの全力スプリント走を行わせた.それらのデータを収集して,分析を行っています.
リバウンドドロップ(動画)
○実験の成果
この研究で得られたデータから,スプリント走における加速局面及び速度維持局面におけるスプリント能力とリバウンドジャンプ能力には,関係があることがわかりました.
上記のことから,スプリントパフォーマンスを向上させるためには,より短い時間で大きな筋出力を発揮するトレーニングが重要であると考えられます.
○練習への活用
これまでの研究では.100mのタイムと非常に強い関係がみられるものとして,最高疾走速度があります.これは,100mを走っているときの最高スピードのことです.最高疾走速度を高めるために,非常に重要なのが加速です.この研究では,加速能力とリバウンドドロップジャンプには関係があるということでした.
これらのことから,100mなどの短距離選手では,リバウンドドロップジャンプはスプリントパフォーマンスを高めるために非常に重要なトレーニングであると考えられます.ぜひ,下記の動画をみて練習に取り入れてみてください.
負荷が高い練習になりますので.毎日ではなく,積極的に休養を取りながら取り入れていくようにしましょう!
アンクルジャンプ(動画)
ボックスジャンプトレーニング(動画)
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